No.55, No.54, No.53, No.52, No.51, No.50, No.497件]

小さな鳥を保護した。
小さくて、可愛くて、
まだ弱くて、幼い、
綺麗な声で鳴く小鳥を。

小鳥は歌った。
「飛び立ちたい、飛び立ちたい」と、
私は困ってしまった。
小鳥の翼は、
―――翼、を?
私は思い立ってしまった。
だから、大きな翼を仕立てたの。

ああ、
あなたはきっと私の元を離れていくのね。
そうして誰よりも輝く一番星になって、
夜鷹なんかも追い越しちゃって、
私の手が、届かなくなる。
仕立てた翼は問題なく、
小鳥も嬉しそうに鳴いては飛び立って、

わたし、
ああ、どこまでも行ってしまえばいい!
と、泣いたんだった。

―――小鳥が鳴いている。
一緒に行こうと鳴いている。
私はその手を取った。
ああ、私たち、
きっとどこまでも飛べるのね

強くならなくちゃ。
少年は思った。
小さく静まった海を前に、誰よりも大きな背伸びをした。
もう奏でられなくなった旋律を代わりに口ずさめば、海は呼応するようにさざめき立つ。
口ずさむ。
呼応する。
口ずさむ、
こちらを見る。
口ずさむ、
穏やかに微笑んだ海の、その手のひらの、先
ああ、青い青い憧憬の、その先に、
夢と、未来が―――
きっと、待っている。

夢、夢だ。
夢になる。
未来が来る!

強くならなくちゃ、ね。
信じなくちゃ。
誰よりも、自分のために、
海のために。