No.73

うつくしいものになりたい、
波に削られたガラス玉みたいな。
あれ、シーグラスって言うらしいよ、
知ってた?

花火の後の余韻、
あの日頬を撫でた手のひらの暖かさ、
もらった言葉、
そういううつくしいものを集めて集めて
ひとかたまりにしたものがわたしであれ、と、願う。
願ってもかみさまは星を降らせてなんかくれないから、
わたしは削れていかずにトゲトゲしたガラスのまま誰かを傷つけている。

ああ、あ、あ、
(聞くに絶えない慟哭)、(自分に対する罵詈雑言)、
お願いだから触らないで。

そんなことを言いながらきっと誰かが、
そんなわたしの、
まだ尖りきらない平らなところをつまんで、
これなら痛くないよと笑ってくれるって、
信じてるんだよ、ごめんね。