No.56, No.55, No.54, No.53, No.52, No.51, No.507件]

光が似合う人だった。
それ以外の暗くて脆くてうしろめたいものは
なにひとつも似合わないような、
太陽のような、
美しいひとだった。

本当は、なにもいらなかった。
太陽を手に入れようとした俺が馬鹿で、
誰の手にも収まらないあなたは
困ったように笑って、
困らせてしまった、と、思った、から。

……。

太陽だって闇には勝てないんだな。
眠るあなたのすこし痩せた顔を見て、
そんなことを思った。
あなたの夢が、
暗くて、脆くて、うしろめたいものでなければ良い。

頼むから、
ひだまりの中心にいてくれ。

小さな鳥を保護した。
小さくて、可愛くて、
まだ弱くて、幼い、
綺麗な声で鳴く小鳥を。

小鳥は歌った。
「飛び立ちたい、飛び立ちたい」と、
私は困ってしまった。
小鳥の翼は、
―――翼、を?
私は思い立ってしまった。
だから、大きな翼を仕立てたの。

ああ、
あなたはきっと私の元を離れていくのね。
そうして誰よりも輝く一番星になって、
夜鷹なんかも追い越しちゃって、
私の手が、届かなくなる。
仕立てた翼は問題なく、
小鳥も嬉しそうに鳴いては飛び立って、

わたし、
ああ、どこまでも行ってしまえばいい!
と、泣いたんだった。

―――小鳥が鳴いている。
一緒に行こうと鳴いている。
私はその手を取った。
ああ、私たち、
きっとどこまでも飛べるのね

強くならなくちゃ。
少年は思った。
小さく静まった海を前に、誰よりも大きな背伸びをした。
もう奏でられなくなった旋律を代わりに口ずさめば、海は呼応するようにさざめき立つ。
口ずさむ。
呼応する。
口ずさむ、
こちらを見る。
口ずさむ、
穏やかに微笑んだ海の、その手のひらの、先
ああ、青い青い憧憬の、その先に、
夢と、未来が―――
きっと、待っている。

夢、夢だ。
夢になる。
未来が来る!

強くならなくちゃ、ね。
信じなくちゃ。
誰よりも、自分のために、
海のために。